海中には様々な希少金属が存在しており、金も数億トンが含まれていると推測されています。
海水から金が取れるのか?
海底での金の採掘は、海底熱水鉱床と呼ばれるエリアで行われます。海底から噴出する熱水に含まれる金属成分が海水で冷却され、沈殿して形成された鉱床です。
日本周辺の海域には、銅や亜鉛、金、銀などの様々な金属が沈殿した海底熱水鉱床が多く存在します。特に、伊豆諸島・青ヶ島沖の海底熱水鉱床では、高濃度の金が含まれていることが確認されていますが、深海での資源開発は高いコストがかかり、採算が取れないことが現実です。そのため、海洋研究開発機構やIHIなどの企業が、海底での鉱物の養殖や、藻類を用いた金の吸着技術など、海底資源開発の方法を模索しています。これらの取り組みが進展すれば、近い未来に海底から、金の採掘が現実のものとなるかもしれません。
人類が発掘してきた金、そして残りは…
人類が金を手にして以来、6000年の間に採掘された金の総量は約20トン。これはオリンピック公式競技用プールの約3杯分に相当し、金は非常に限りある資源です。 WGCの調査によれば、地球上に残る未採掘の金の埋蔵量は残り約5万トン前後といわれ、約20年後には金が枯渇してしまうと指摘する意見も少なくありません。
限りある資源、上手に活用したいものです。