季節の行事で酒を飲め

お酒

年末年始といえば?そう、福袋ですね。おめでたい紅白の袋に入れられた商品をワクワクしながら購入した事、一度はあるのでは無いでしょうか?
昔は在庫処分品が詰め込まれ「ゴミ袋」と言われていた物もありましたが、近年の福袋は事前に中身を選べたり値段以上の物が入っていたり結構仕様が変わっているようですね。
ネットで色々調べると「酒ガチャ福袋」なる物を発見しました。30種類以上の中からランダムで選ばれるようで、中には限定品やコラボ酒、金箔付きのお酒も当たるとか、HPにはもう売り切れの表示も出ているのでかなり人気の福袋のようです。来年買います。

新年におめでたいお酒が飲めるし、おみくじ要素もあって面白いですね。
日本の伝統や行事にお酒は必要不可欠、今回は「伝統行事×酒」について調べてみました。

【正月のお屠蘇】

古来から伝わる邪気を払い無病息災と長寿を願う縁起物のお酒で、養命酒やマムシ酒、イエーガーと同じ薬用酒になります。スーパーで売っていたりしますが、初詣で訪れた神社仏閣で見かけたことはないでしょうか。

気になる作り方ですが、漢方薬に使用される生薬を混ぜたものを「屠蘇散」といい、これに日本酒とみりんを加えて漬け込んだものがお屠蘇になります。
また地域によって違いが出る面白いお酒で、関東では「お屠蘇=日本酒」が強いらしく、みりんや日本酒に漬け込むのは関西の作り方みたいです。
自分は関東の神社で関西の作り方のお屠蘇を頂いたので調べて驚きました。使用される生薬の種類もつくり手によって違うので、飲み比べが出来たら面白いですね。
さらに九州熊本では赤酒を使用するのが一般的らしく、しかもそのお酒は甘いとのこと、是非一度飲んでみたいものです。

【上巳の節句 白酒】

この後のお酒はすべて「節句」に飲むお酒なので、節句について軽く説明します。一言でいえば「季節の節目となる日=節句」大昔中国から日本に伝わった様々な行事が年代とともに減少、特に重要とされた5つの節句が江戸時代に祝日と制定されました。それが「五節句」となります。

その中の1つ上巳の節句、ひな祭りに飲まれていた「白酒」ですが、恥ずかしながら存じ上げておりませんでした。
ひな祭りの記憶は雛人形と甘酒に桜でんぶのちらし寿司、あと菱餅。あとひなあられ。正直 甘酒のことかと思ってました。見た目同じ白ですし。

甘酒は皆さんご存知、発酵を利用した栄養価の高い健康食品で酒と名前のつくノンアルコールの飲み物。
ちなみにノンアルコールなのは米麹で造ったものだけで、酒麹で造ると当たり前のようにアルコールが含まれるので注意してください。
お祭りで配られていたり、おばあちゃんが造っていたりする、甘くておいしい白いやつ。

対して「白酒」ですが、よみかたは「しろざけ」中国の白酒(パイチュウ)と漢字は同じですが別物です。
中国で飲まれていた「桃香酒」の代わりに日本では白酒を飲むようになりました。どちらでも厄除けや長寿を願って飲まれています。
こちらも地域によって造り方が違いますが、蒸したもち米に焼酎やみりん 米麹を混ぜて、約1ヶ月熟成後にできたもろみをすりつぶして造るのですが一般的。
がっつりアルコールが含まれていますので、法律上家庭で造れません。注意してください。

【端午の節句 菖蒲酒】

現在 五節句唯一の祝日です。WGの旅行中、車窓や新幹線から鯉のぼりが泳いでいるのをよく見かけた人多いんじゃないですか?他にも菖蒲湯に浸かる他、柏餅やちまき、たけのこ食べるなどなど、男子がいるご家庭は五月人形を飾るのも習わしですね。
祝い酒の菖蒲酒は白酒同様 厄除けや長寿を願う他、「しょうぶ」と読むため「尚武(勝負)に強くなる」という験担ぎの意味合いもあり、長く親しまれてきました。
作り方は菖蒲の根を薄めに切り、日本酒につけて30分待つだけです。
ただ「菖蒲の根」がどこで手に入れられるのか一瞬戸惑いますが、安心してください。5月5日近くなると普通にスーパーやお花屋さんで売っています。
なんならネット通販で購入すれば大丈夫です。インターネットはすべてを解決します。
あとは香りの強いサトイモ科の菖蒲を使うこと、花がついた菖蒲とは違うのでそこだけ注意しましょう。

【重陽の節句 菊酒】

皆さん五節句と聞かれてすべて答えられますか?自分は秋に全国各地で開催される「菊まつり」を見に行くので知っていますが、「重陽の節句」は誰かに教えて食らった記憶がありません。もしかしたら授業で習ったかもしれませんが正直覚えていません。
そもそも他の五節句が、七草、ひな祭り、こどもの日、七夕と強すぎるラインナップ、これはしょうがないですね。

知名度は低いかもしれませんが毎年菊の鑑賞会や各神社の祭事など素敵な行事があるのでチェックしてみてください。ご家庭でできる楽しみ方として、「菊酒」が有名ですね。まず日本酒を用意し、食用菊の花びらを入れて一晩置くだけ。
あとは花部分を蒸してそのまま使用したり、お酒を飲むときに花びらを散らしたりするのもOKです。
はい簡単、どんな不器用な人でも作れますよこれ。だいぶ先になりますが、重陽の節句にはぜひ菊酒を楽しんでみてください。

【おまけ 恵方呑み】

調べていたらこんなキーワードが出てきました。恵方巻は知っていますが「恵方呑み」は初耳です。名前で察せると思いますが、節分の日他季節の変わり目の日に縁起の良い恵方を向いてお酒を飲み、厄を払い幸運を呼び込む行事だそうです。
こちらの行事地酒消費拡大に向けて2016年から始めたものだそうです。今はまだ知名度が低いかもですが、数年後にはメジャーな行事になっていたら面白いですね。

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