時計上昇トレンドの中にみる至極の一品 ランゲ&ゾーネ

時計

ランゲ&ゾーネの歴史

1845年、ドイツのグラスヒュッテにて工房を構えた創業者、フェルディナント・アドルフ・ランゲから始まった時計メーカーのランゲ&ゾーネ。

辺鄙な山々に囲まれたグラスヒュッテは、栄えていた銀鉱山での産業が枯渇し、貧困を迎えていたところに時計工房を作ることで新たな産業の中心として
成長させた歴史を持ちます。

大きな産業革命などを経て、経済面など飛躍的に上昇したこともあり、工房にとってもより良い時計作りに専念ができたとても良い時代がありましたが、第一次世界大戦での敗北などにより、
その黄金時代に幕を閉じることになります。
更に、第二次世界大戦下でランゲの時計工房は軍需工場として利用され、敵対国からの空襲などにより焼失。
戦後を迎えたグラスヒュッテの各種産業は国営会社は、時計工房なども含めグラスヒュッテ国営時計会社に統合し、
4代目当主ウォルター・ランゲは西側に亡命。その後「ランゲ&ゾーネ」と言う名は、当時の時計市場から姿を消します。

数多くの歴史的因果に巻き込まれた時計工房でしたが、4代目当主ウォルター・ランゲは、悲願の「ランゲ&ゾーネ」復活の機会を待った後、1989年にベルリンの壁崩壊。
ドイツ悲願の東西統一が果たされた時、ウォルター・ランゲはいよいよ創業の地、グラスヒュッテに戻ります。
グラスヒュッテに戻ったランゲは、1994年、再度時計工房を設立、現在までに多くの超絶機構を製造しています。

近年のランゲ&ゾーネ

現在のランゲ&ゾーネは、2000年に時計界の3大勢力の一つ、”リシュモングループ”に加入しました。
安定した資本傘下内での時計製造は各時計メーカーにメリットも生み出し、芸術的な個体も多く製造されています。
大手資本に加入したからと言っても、その技術や伝統はしっかりと継承され、”グラスヒュッテ伝統技法”も使用された美しい個体が製造されています。
1864年に開発された、「3/4プレート」はもちろん、美しい縦じま模様が見事な美しさのグラスヒュッテストライプ、18Kゴールド製のゴールドシャトン等など、
現在でも世界最高峰の芸術的個体を生み出すウォッチメゾンとなっています。

現在のコレクションは、

・ランゲ1
・サクソニア
・1815
・リヒャルト・ランゲ
・ツァイトヴェルク
・オデュッセウス

等のラインナップがございますが、やはりオフセンターのランゲ1は、ランゲ&ゾーネの始まりの一本ではないでしょうか。

芸術品、ランゲ&ゾーネの世界

一貫したマニュファクチュール体制で数々の芸術的コレクションを生み出すランゲ&ゾーネですが、
それは、あくまで職人たちの手作業によるこだわりを持った時計作りを丁寧に行ってきた結果です。

ここで、芸術的コレクションの一つで黄金比に基いた美しいデザインのランゲ1の世界観をご紹介いたします。

ランゲ&ゾーネの理念

開発コストや期間も莫大になりますが、ランゲ&ゾーネはその理念を貫き、

「ひとつのモデルのためにひとつのムーブメント」

を実現しています。

ランゲ1も勿論それに準じて製造された美しいモデルです。

至高のグラスヒュッテ様式

フェルディナント・アドルフ・ランゲが確立した”グラスヒュッテ様式”。

ドイツ時計が好きな方は勿論耳にした事もあるかと思います。

代表的なグラスヒュッテ様式は、

洋銀製の3/4(4分の3)プレート

耐久性や精度の安定性を大幅に向上させる3/4プレート。
歯車を一枚の大きな受け板によって押さえるもので、組み付けに高い技術が必要とされる組み上げ。

美しいエングレービング

エングレーバーらが手作業かつ繊細な技術で作り出す美しいエングレービング。
「エングレービング」とは、銅版に線を掘る技法のことですが、ここも細部にわたり
ランゲ&ゾーネと言うブランドの強い意志を感じます。

グラスヒュッテストライプ

光の加減により表情と美しさが変化するグラスヒュッテストライプ。
3/4プレートに、美しい縦じま模様が施され、加工自体も極めて難易度高い職人技となります。

美しく固定されたゴールドシャトン

まず”シャトン”とは、ムーブメントに軸受けのために取り付けられた石を固定するための金属リングとなります。
そのシャトンを18ゴールド製に作り上げたシャトンを「ゴールドシャト」と呼ばれています。

小さなパーツ一つ一つまでこだわり作り上げられたところにランゲ&ゾーネの強いこだわりを感じさせてくれます。

こだわり抜かれたマニュファクチュール

一切の妥協のないムーブメント製造を行うランゲ&ゾーネ。
そのムーブメント製造は王者として君臨する”パテック・フィリップ”と同等と思わせる製造工程にも見られます。

二次組み立てでより完璧を目指す超絶時計

ランゲ&ゾーネでは、超複雑機構を施した個体、シンプルな個体など、どのような個体でも2回組み立てると言う工程を行います。
ほんの僅かな事象により一次組み立てにて支障が出ている可能性を考え、完成品を再度分解清掃し、二回目の組みたにて再度調整と装飾を行います。

とにかく最後まで技術者がこだわり、美しが追求された時計は間違いなくランゲ&ゾーネと言わしめるメーカーなのではないでしょうか。

最後に、、

徹底した超一流の技術と美しさで組み上げ、更に組み上げたものを再度組み上げ直す時計好きによる時計好きの為のメーカー、ランゲ&ゾーネ。
「玄人好みの時計」と呼ばれる事も多いランゲ&ゾーネですが、超一流の技術と美しさを合わせ持ち、数多くの壮絶な歴史から復活を遂げた
ランゲ&ゾーネを、何代にも渡り保有していくのもいいかもしれませんね。

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